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監査法人のあと、どのようなキャリアを積むべきか。これはどんな仕事を自分の一生の仕事とするのかにつながります。多くの人が事業会社を選び、順調にいっている人もいます。
一方、当初の想定通りにいかず、再度、転職をする人もいます。理由を聞いてみると、「事業会社では実務をこなすだけで、会計のプロフェッショナルとしての知識・能力が伸ばせない、むしろ低下する」ということであったり、「一定以上の役職はプロパーの人が占めており、途中入社の自分では出世に限界がある」ということです。会計士として中途入社した人は、会計の知識では勝っても、社内の人脈やその業界に関する知識という面では、プロパーの人に劣ります。そもそも、会社側にとってみれば、中途採用は、その時に足りないポジションを募集するのであって、入社した人のキャリアアップを考えていないことすらあります。
弁護士業界では、個人や中小企業を顧客とする個人/小規模の弁護士事務所は経営が厳しくなっている一方、高度な企業法務にフォーカスした大手の弁護士事務所は拡大し続けていることはご存じだと思います。これと同じことが税理士業界でも起きています。個人や中小企業を顧客とする個人/小規模の税理士事務所は経営が厳しくなっていますが、高度な法人税務にフォーカスした税理士法人(Big4や当法人)は高い収益を上げています。
会計士試験の受験者数は増えたり減ったりですが、税理士試験の受験者数は下記のグラフの通り、減少の一途をたどっています。これは、「個人/小規模の税理士事務所の経営が厳しい」というイメージが浸透している一方、「高度な法人税務にフォーカスした税理士法人が高い収益を上げている」という情報があまり認知されていないためと推測されます。税理士受験者数の減少が続けば、税理士の価値、特に高度な税務に対応できる税理士の価値は上がり続けることになります。
受験者と合格者の推移
上場会社やそのグループ会社で税務顧問を置いていないところは、極めて少数です。また、経験豊富な上場会社のCFOなどでも、再編、国際税務など、金額的にも影響が大きく、かつきわめて複雑な税務に対応することは困難です。
すなわち、高度な法人税務に対するクライアントのニーズはあるが、それに対応できる人は限られているということです。
これまで培ってきた会計の知識にさらに税務の知識が加われば、クライアントにとっては、非常に価値のあるものになります。一定の水準で、会計と税務の双方をアドバイスできる人がマーケットに非常に少ないからです。
当法人では、いわゆる「営業」活動を行っていません。新規のクライアントの90%以上が、既存のクライアントなどからのご紹介です。このように高い評価を受けられる理由の1つが、「税務と会計の双方のアドバイス」です。
監査法人ではクライアントから契約を打ち切られる、いわゆる「ロスト」が一定の頻度で発生します。自分の関与先を「ロスト」すると、担当のパートナーやマネージャーは、自らの評価に大きく影響することがあるので、そうならないか、不安な時期を過ごすこともあります。このように「ロスト」を気にしなければならない理由の1つとして、監査業務が品質で差別化しにくいということが考えられると思います。
逆に、「税務と会計の双方をアドバイス」できるようになると、大きな差別化、付加価値につながり、新規クライアントの紹介を受けられるということです。
監査法人と異なり、基本的にはパートナーのローテーションはありません。前任者から引き継いだクライアント、自らが紹介を受けたクライアントに品質の高いサービスを提供して、信頼関係を築き上げていきます。また、監査法人のように、利害が対立することはありません。
自分の担当クライアントを持ち、自分の裁量でクライアントとの関係を構築していくという側面を見ると、「自分の城を持つ」といった表現が近いかもしれません。
Clifixでは、上場会社を含む会社の社外役員の兼務を一定の条件の下で認めており、実際に、数名の者が兼務をしています。これまでに多くのクライアントを見てきたという経験を活かして、適切なアドバイスをすれば、その会社から評価される一方、あなた自身も社外役員という経験を通じて、その会社から様々なことを学ぶ機会になるものと考えます。